授業のこと

こんばんは。塾長の髙橋です。

私立高校を受験されたみなさま、お疲れさまでした。

さて、今日は「数学の文章題」です。

ひとつひとつ条件を整理して

Q:ある中学校では、地域での職業体験をすすめています。
 学年の終わりに、全校生徒に対してアンケートをとったところ、
 1年生は学年全体の25%、2年生は学年全体の30%、
 3年生は学年全体の40%の生徒が、それぞれ職業体験を
 「経験済」と答えました。
 全ての学年で「経験済」と答えた生徒数は、全校生徒数の
 32%でした。
 各学年の全体の生徒数は、1年生が240名で、3年生は
 2年生より15名多いです。
 2年生と3年生の学年全体の人数は、それぞれ何名ですか。
 文字を使用した連立方程式をつくり、求めなさい。
 なお、どの文字が何を表しているかも、明記すること。

まず、何を問われているかを探す。

→「2年生と3年生の学年全体の人数は、それぞれ何名ですか。」

どの文字が何を表しているか

いま問われているのは、2年生と3年生の学年全体の人数です。
よって、 2年生の学年全体の人数をx、
     3年生の学年全体の人数をy とそれぞれ置きます。

 問題文に、文字の内容を明記せよ、とあります。
記述式の答案では、使用する文字の内容を明記することは
大前提となります。必ず書くようにしましょう。

(書かないと、計算が複雑になれば何が何だかわからなくなります。
 数学が苦手だったころの塾長の経験談です!)

文章から、ひとつひとつ条件を拾っていく

場合によっては、このような「表」を作ってもよいでしょう。

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ここで、連立方程式として使えそうな二元一次方程式が見つかれば、
組み合わせて計算してみます。

パーセントの計算があるので、先にパーセントのある式の両辺を
100倍して整理してから考えていくとよいでしょう。

気になった方は、つづきをやってみてくださいね。

この類似問題が、他県の過去問題にありました。

大事なのは、計算テクニックよりも・・・

文章題となると、急に頭をひねるお子さんが多いです。
それはなぜか?

やはり、限られた時間の中で、早く正しく計算できることが
美徳とされていると思っているからでしょう。

やらなければいけないのは、頭ではよくわかっている。
だけど、なかなか頭がその先に回転していかなかったり、
ペンが止まってしまったりすること、ありますよね。

そういうときは、時間の制約を忘れて、とことん悩んでみることも
大事です。いやというだけ悩んで、ヒントを拾い集めながらも
「必ず自力で」問題の解決に当たってもらい、
同じような問題が出てきた時に、その経験を活かすこと。

これは、どの年代でも、生きる上で必要になる力だと思います。

当塾では、時間の許す限り、悩み多きお子さんと寄り添って、
一緒に考えます。解法があれば、すこしずつヒントは与えますが、
最後のゴールはできるだけ自分でテープを切ってもらうことを
心がけて指導しております。

どの学年でも、どのコースでも、それは変わりません。
ぜひ一度、どなたさまも、見学や体験をされてみてはいかがでしょうか。

※まもなく、春期講習のことをリリースします。
 今年も特色ある講習にします。乞うご期待!

こんばんは。塾長の髙橋です。

なかなか定期的に授業の様子が挙げられずにいますが
週1~2回できれば上出来にしたいと思います。

さて、今日は英語の構文のお話です。

so 形容詞 that 主語+動詞 の「動詞」は、必ず"can't"?

中3生から、英語の構文を用いた表現の解説中に受けた質問です。

受験英語では、どのレベルにおいても、必ずといっていいほど出題されるのが、
① so 形容詞 that S can't ...  と
② too 形容詞 to do ... の 書換問題です。

どれだけ昔から見て今の教科書のレベルが上がったとはいえ、
私が子供時代だった15年前も、こうしたものは存在していました。

②の文の too に注目を!

tooは「とても」「あまりに」という副詞です。
後ろの to do (すること) と呼応の関係にあります。

これは「doするには、too(あまりにも)」という関係で、
noやnotを使わない、否定のニュアンスとなります。

これを、①の文のso 形容詞 that ...の文で使うのであれば、
that 節の中の動詞は「できない」のcan't となります。

しない(意志)か、できない(可能)か

①と②の書換を意識しないで、so 形容詞 that 主語+動詞... とするのであれば、
動詞の部分は、別にcan'tにこだわる必要はありません。

「するかしないか」を決める余地があれば、don't や won'tもありうるでしょう。

ですが、too 形容詞 to do の書換においては、
「するかしないか」を決める余地がなく「できない」になるので、
can'tを使うこととなります。

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(厳密にはもっと突っ込みたいポイントがたくさんありますが、
混乱を避けるべく、絞って伝えています。)

形も大事だけど、もっと大事なのは語句の働き

どうしても、効率のために、かたちで覚えようとしがちです。
たしかに、so that や too to など、音にまでして
覚えさせられたのは、耳に残るので使いやすいとはいえます。

しかしながら、ひとつひとつの言葉の持つ意味を
きちんと考える機会がなければ、言葉の使い方があやふやに
なってしまい、失点につながるでしょう。

もちろん、それが非効率だという見方も否定はできません。
ましてや、受験直前のこの時期に、というのもあるでしょう。

とはいえ、こういったことは、やはり積み重ねしかありません。

急がば回れ。
意外と、こじつけ?と思える内容が、英語的な考えだったりするかもしれません。

どの科目にしても、イマジネーションは大切だと思います。

こんばんは。
いつもご覧いただきありがとうございます。

今回は、木曜日の小6生のお話です。

「単位の何倍、何分の一のお話がわからない」

たしかに、私も小学生の時、間違ったことがあります。
難しいというのもよくわかります。

たとえば。

1キロメートルは、何メートルでしょうか、というお話。

キロは「千倍」を表しますので、
1メートル×1,000=1,000m=1km

となります。

1キログラムは、何グラムでしょうか。

と聞かれれば、1グラム×1,000=1,000g=1kg

となります。

1メートルは、何センチメートルでしょうか。

センチは「百分の一」となります。

よって、1センチメートルは、0.01メートルとなりますので
100センチメートルが、1メートルとなりますね。

そうやって、
「キロ」「センチ」「デシ(十分の一)」「ミリ(千分の一)」
「ヘクト(100倍)」「デカ(10倍)」などに、

重さは「グラム」、長さは「メートル」、面積は「アール」
などをつけると、それぞれをかけ算すると、それぞれの
重さ、長さ、面積がわかりますね。

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さらに、「1辺の長さが1メートルの立体の体積は、何立方センチメートルか?」

という問いには、

立方メートル…たて×よこ×高さ となるので、

1辺が1メートル…100センチメートル。
これを3乗するので、100×100×100=1,000,000cm³ となりますね。

わからなかった6年生はスッキリしてくれました。

かならず、単位には意味があります。

それぞれの意味を、きちんと説明すると、最初は難しいけど、
あとからきちんと、他のことに応用できるような思考力がつくでしょう。

以上、塾長ブログでした。

こんばんは。2017年1月の授業が終わりました。

今日は中3生、中2生それぞれ3名ずつの混成でした。
中3生は最近定期的に通ってくれている生徒さんです。

*理科で、炭酸水素ナトリウムの加熱分解の問題に
当たっていた生徒さん。

問)試験管内で2.2gの炭酸水素ナトリウムを、
完全に加熱したときに試験管に残った物質の質量は
1.4gでした。
試験管内で1.8gの炭酸水素ナトリウムを、
一部加熱した時に試験管に残った物質の質量は何g
ですか。

この問題では、完全に加熱したときに、試験管内に残った
物質(=炭酸ナトリウム)の質量と、最初の炭酸水素ナトリウムの
質量の比から、1.8gの炭酸水素ナトリウムを一部加熱
したときの

「分解反応が起きた部分」と、「反応しなかった部分」

それぞれの和が1.4gである、という考え方をします。

この、反応のありなしをわける、というところがとても重要です。
(式は作ってみてくださいね)

彼は、数学が比較的得意で、「ゼロ倍とゼロ乗」のお話で
高校数学に関心を寄せていたこともあり、理解してくれたようですが、
計算はあとでもう一度自分でやってみることを勧めています。
彼の長所は、観察眼が鋭いところ。
大人もたじたじのツッコミが、スパイスを加えてくれます。うれしいですね。

*「歴史学習のいろは」で、
歴史上の人物がわかりにくい、と言っていた生徒さんは、
どんどん自分で、まとめシートを活用してまとめています。

第一弾のシートを見せてもらいましたが、
「なぜ」の部分が、やはりわかりにくかったようで、
空欄になっていたので補記して、解説を加えています。

第二弾以降も楽しみです。
社会科に当たるときの目の色が変わったこと、
そして、さっそくたくさん活用してくれていることに感謝です。

*当塾では3年生全員に英単語テストを課しておりますが、
その進度が一番早い生徒さんは、公立校入試の過去問に挑戦し、
みるみる力をつけ、志望校上位レベルの得点をマークしています。

(解答時間も自分で測定しています)

平成26年度国語は、一題の読み違えから失点したものの、
それ以外の問題はすべて正解していました。
単語テストもそうですが、題意を早く正確に見抜けるようになれば、
志望校トップクラス間違いなしと思われます。

彼の長所は、ひたむきさと、周囲の環境に左右されない安定した精神。
とてもフリーな環境ですが、礼儀正しく、かつ、抜くところは抜く、
というバランスがとれているところは、大人の私でも尊敬します。

2年生も3名。

*冬季講習近くから通ってくれている生徒さん。
自分のペースで、誰に指示されることもなく、淡々と問題演習に取り組みます。

当然こうしたお子さんにも、適宜指導は挟んでいますし、
「ここまで不明点はなかった?」→「大丈夫です」のやり取りがあります。

ここで、私が大事にしていることは、
生徒さんの「大丈夫」をきちんと信用することです。
放任するのではなく、きちんと見守って、信用する。
そして、少しの変化も見逃さず、理解が進んでいることをきちんとほめる。

すると、見たことのない成績を挙げてくれるようにもなりました。
2学期末は、直近よりも5科目平均20点近く伸びています。

今日は、自宅から持ちこみの教科書ワークで国語でした。
次回から、3年生と同じように単語テストを、本人希望で行います。

自らのペースをつかんで、自発的に取り組んでいる姿は胸を打たれます。

*創業当初から通ってくれている生徒さんが2名。

ひとりは、苦手意識の強かった数学の、「苦手」という感覚が
かなり軽減されて、前向きに問題に取り組んでくれています。

ほかの科目もそうでしたが、成績については伸び悩みが続いていたものの、
もともと関心が高めの国語・社会に加え、数学の軸も確実に伸びてきています。

計算問題にあたるときの精神的な余裕も見られ、自分の書いた計算過程を
きちんと振り返って「見る」こともでき、正答率が上がってきています。
ひとつのことにものすごく集中できるタイプです。

また、幼少期の計算スキルがものすごく高かったため、ここに火をつけることと、
日頃のコミュニケーションの中から、成人に求められる語彙を、
耳にしてもらうだけでも、意識が変わることを期して、接して来ました。

彼も性格が大人で、かつ、自分自身のことをきちんと理解しています。
自分自身をしっかり持っていますが、優しい気持ちも持ち合わせているので、
将来が本当に楽しみです。

もうひとりは、いろいろ悩みながらも、自己の確立を目指している生徒さん。

もともと知識と教養は豊富なのですが、
「言われたから仕方なく」という部分があることに早くから気付き、
(動機が自分の中にないということですが)

悩みなどで錯綜した自分の思考を整理してもらうために、
時間の使い方を早くから任せています。

いろいろ思いを抱えていて、話したい!と思ったら止まらなくなることがありましたが、
最近は、そのあたりの切り替えも上手になりました。
成績的には伸び悩んだ感はありますが、人としての成長はとても大きかったと思います。

書きだすと、止まらないものですね。
ひとりひとりの顔が浮かんできて、幸せな気持ちになります。

幸い、この1年間は、大きなインシデントもなく教室運営ができたと思います。

当然、通塾距離や方針などから「合う」「合わない」もあったとは思いますが、
少なくとも、私は携わらせていただいた生徒さんには、
一貫して、選択肢に入れていただいたことの感謝を忘れずに来たと思います。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

みなさまの2月が、素敵な月になりますように。

夜分遅くに失礼します。塾長の髙橋です。

私の専門は英語(中学~大学)、数学(中学と一部高校)と現代文ですが、
たった一人で教務を行っていることから、
ほかの科目もアドバイザー的な観点で見させていただいております。

今日は、「理科」のお話です。
かつて苦手だった科目の一つですが、今は再び学び直しているところです。

中学理科には、地学、物理、化学、生物の4ジャンルがありますが、
特に質問を受けることが多いのが、
・物理…滑車の問題
・地学…天体の見え方 もさることながら、特に多いのは

化学がよくわからない

ということです。

塾長と名乗っている私も、文系の純粋培養状態だったので、
理系科目が苦手なお子さんの気持ちは理解できます。

今は教えることが仕事なので、かつて苦手だったとは言いながらも、
少しずつ指導スキルを磨いていきたいと思いながら、
日々仕事にあたっております。

最近、むしろこうした範囲のことを聞かれてうれしく思います。

それは、

「お子さんがどこでどう悩んでいるのかが、
手に取るようにわかる」

ということです。

化学の場合の疑問点の多くは、これら3パターンです。
・グラフの活用方法がわからない。
・化学式のしくみがよくわからない。
・イオンがよくわからない。

今回は、イオンについて。

水素イオンやナトリウムイオンのような、1価の陽イオン。
マグネシウムイオンのような、2価の陽イオン。
塩化物イオンや水酸化物イオンのような、1価の陰イオン。

などなど。

特に、価数の話がよくわからなかったようです。

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※「電価」とありますが、正しくは「電荷」です。ごめんなさい。

たとえば、塩化マグネシウムの電離式。

マグネシウムは、原子番号12で、最外殻電子数は2です。
塩素は、原子番号17で、最外殻電子数は7です。

最外殻電子は、第三周期元素までは、2個→8個→8個というモデルで
教科書にも記載されています。

(細かい話になると、中学レベルをはるかに超えかねないので、
 ここらへんまでの規則性と、便宜的に銅イオンは2価ということを
 覚えておくように伝えています。)

水素イオンは、なぜ、1個の電子を失うのに、エイチプラスと書くのか?

私も、お恥ずかしながら、中学卒業までは、なぜ?という疑問がぬぐえず、
そんなものか、と思いながら入試を迎えたものでした。

当時(いまからおよそ15年前)は、最外殻電子の話は、高校の化学でくわしく
扱ったと思うので、中3時点では今ほど詳しくなかったように思います。

通常の(イオン化していない)原子は、原子核に+の電荷のある陽子と、
その周りの、−の電荷のある電子とが、同数存在しています。
つまり、電気的には±0ということになります。

ところが、水素は、最外殻電子は1であり、イオン化するということは、
最外殻電子をどこかへ放出することになるため、
電気的には、原子核の中の「陽子(+)」が、電子(-)より1つ多いので、
+の性質を持っているということになります。

これが、「エイチプラス」の正体です。電子を放出したので、電気的には
陽子(+)が1価分多い状態ということになります。

最初は、ポカーンとしていた生徒さんも、
理屈を説明され、少しずつ納得していったようです。

話は戻りますが、

自分がわからなかったからこそ、当時を思い出して、
 どういう説明なら、よりわかりやすかったか?

このことを常に心がけて、お伝えしています。

自分ならどうやって教わりたかったか。

これは、一度学習につまづいたことがあるからこそ、
提示してあげられる形なんだと思いました。

本日も、お付き合いありがとうございます!

1件のコメント

こんばんは。塾長の髙橋です。

今日は、中3生の質問の内容から、学習方法の提案に至るまでの
お話をしたいと思います。

歴史ってどうやって勉強すればいいですか?

どの科目も、必ず「どうやってやればいいか」という疑問に
誰しも直面することと思います。

特に、歴史が苦手なお子さんは、人物や制度の

「名前」「名称」

を「覚えなければならない」と思って、苦痛になります。
(私も学生時代はそうでした)

私自身、歴史のことを学び始めたり、
あるいは、自分自身の会社員時代の落第を思い返すと、
何か心理的な法則があるのでは?と思いました。

「義務感」だけでは知識は定着しない

気分のむらや変調に悩まされ続けた私が、言葉にしないうちに
受講生さんの状態を見つめて、アプローチするときの考え方を
整理してみます。

・「やらなければならない」
……なぜ?→自分の目指す先にあるもの(受験生なら志望校合格)を手にするため。

・「だけど……」
……(1)やらなければいけないことより「興味・関心」が優先する「何か」がある。
 (2)心身の調子が整わないので、単純に休息が欲しい。

・「ではどうやって?」
……(1)「すべきこと」と「興味・関心」を近づける。
 (2)近づかない場合は、近づきやすいように、知識や心身の状態について整理する。
 (3)心身の調子を整える時間も「必要な時間」としてとらえる。
    ただし、偏りがないように、休むときはしっかり休んで、やるときの
    エネルギーを蓄えることを意識する。

<目標>「やりたくないけどやらなければ」
    →「わかると楽しい。もっとやりたい」につなげる。

歴史を学ぶ上での「痛しかゆし」な点と対策

・理科の実験などと違って、リアリティーが見いだしづらい
時代、人物、事柄の整理が難しい

今回相談されたお子さんも、特に人物が苦手とのこと。

「一度、暗記しようとする気持ちを捨てたほうがいいのでは。
 自分ならどう思う、とか、自分ならどうしたい、とか、
 自分も登場人物と考えて、史実と照らし合わせるのはどう?」

「でもその時間もなかったら、少なくとも、

 ”いつ” ”どこで” ”だれが” ”どうした” と ”なぜ”

 を、それぞれの時代ごとにまとめてみては?
 大きな流れが見えれば、時代背景も、細かな人名や政策も
 わかるようになってくるはず。

 特に”なぜ”の部分は、意外と軽く見られがちだけど、
 ここがわかると一気に歴史が面白くなるよ!」

というわけで、歴史できごとシートなるものを手交。

サンプルとして飛鳥~奈良時代をまとめています。

「これなら、少しまとめられそうな気がする!」とのこと。

「気付き」をほめる

「ちなみに、このパターンで、公民や地理も使えそうですか?」

非常にいい質問が来ました。
まるで、私がこのシートを作った真の意図を汲んでくれるかのように。

「はい。項目の名前を必要に応じて変えてみたら、使えると思いますよ。
 ためしに、白地で何枚か渡しますので、使ってみて感想を教えて
 いただけませんか?」

実は、このお子さんの発言の通り、他の科目でも、事柄の整理に
使えるように開発したいという狙いもありました。

「さすがだね。私が作った意図はまさにそういうところにあるんですよ。」

歴史の教科書とシートを手にして、笑顔を見せてくれたのは、
やはりうれしいものですね。
どうしてもやらなければいけないけど、どうやってアプローチしたらいいか
わからなくて嫌になっていたものについて、切り口が少し見えたのでしょうか。

「どの時代でも、どの科目でもいいので、作ったら見せてくれませんか?」

「わかりました!」

彼女の中に、歴史が織りなすドラマチックなビジョンが生まれることを
願いつつ、きょうはこのへんでタイプの手を止めたいと思います。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

1件のコメント

こんばんは。塾長の髙橋です。

本日より、当塾がどういった進め方をしているのかについて
少しずつ「授業のこと」カテゴリーで記載していきたいと思います。

「なぜ」の化学反応

当塾は、夜間コースでは学年別、習熟度別のクラス分けを
(現在のところ)行っておりません。

したがって、あらゆる学年のお子さんが一堂に会し、
それぞれの学びたいことについて取り組み、
講師はそれをサポートするという形式をとっています。

今日は【中2 1名・中3 2名・高1 1名】の混成でした。

高1の塾生さんから
「10進数以外の表記が使える事例があるのか?」
という質問がありました。

おもむろに、黒板に※「カラーコード」について書く私。

※・コンピュータ上で表される色を6桁の数で表したもの。
・16進数(0~9までの数字と、A~Fまでの文字)を用いて、
赤・緑・青の色の濃さを表す。
・上2桁で赤色、中2桁で緑色、下2桁で青色。
・0が色なし、Fが一番強い色味となる。
(例)#000000は黒色、 #FFFFFFは白色、 #FF0000は赤色

この話をすると、中3の数学好きな塾生さんが反応。

中3生「今どんなことをしているのですか」
高1生「10進法以外での数の表し方だよ」

(中略)

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ゼロ倍とゼロ乗

たとえば、2進数での111は、
【2の2乗×1 + 2の1乗×1 + 2の0乗×1】
=4+2+1
=7

となります。この説明で、

中3生「2の0乗は0じゃないんですか?」
と質問がありました。

私「0倍と0乗は違うんだよ。
  0倍ということは、「無にする」ということ。
  つまり”数として存在しな”くなるんだよ。
  だけど、0乗ということは、”数として存在する”けど、
  1に何もかけないということだよ。」

中3生「なぜ1が出てくるの?」

私「たとえば、2という数は、1×2だよね?
  ということは、”1に”2を1回かけているんだよね。
  つまり、数を考えるときの出発点が1と考えるんだ。」

高1生「たとえば、なにもない状態が0で、
    その場所に着ぐるみが1つ持ち込まれたとしよう。
    着ぐるみは1つあるけど、中に人はいないよね。

    いま、2という人が着ぐるみの中に入るとしよう。
    そうすると、そこに着ぐるみを着た「2」さんが
    一人いることになるよね。これが1×2ということ。」

中3生「おお!わかった!」

なんと、その調子で、n進法の話を理解してくれました!
n進法の小数点の話も。

そして、高1生も、もやもやしていたn進法の話が
(小数の話も含めて)はっきりわかるようになりました!

※これは20分ぐらいのやりとりの一部です。

※残り2人の塾生さんは、自分で決めたテーマを黙々と学習し
 この解説を行った後に、それぞれのテーマでフォローしています。

数字からのメッセージ

前の日は、別な中3生に「標本調査」のお話をしました。
数学の苦手な塾生さんなのですが、

「数字というよりは、文章を読めるかどうかの話だよ」
と伝え、問題演習をしながら用語の解説を行いました。

ちゃんと理解してくれたようです。
なんとか、この分野は定着まで導きたいと思います。

数学=数字だけを扱う学問?
いいえ、違うと思います。

私は、数学は「説明ツールの1つ」としてとらえています。

数学が苦手だった私だからわかるのですが、

「数学=数字(文字、記号、幾何)だけ」だと思っていると
遅かれ早かれ、痛い目にあいます。

目的「なぜ事柄を数学的に表すのか?」
手段「どうやって数学的に表すのか?」

数学に限らず、どの科目もこうした考え方に立って指導していますが、
特に数学は、頭の体操としても、こうした考え方が有効です。

特に標本調査は、製造業、事務、いずれも考え方として有用です。

言葉も大事ではありますが、
考え方をしっかり吸収してほしいと思い、レクチャーしています。

統計にだまされないものの見方も、
教科書に出てくる「傾向を見る」という表現から、
しっかり伝えるようにしています。

このように、数字や記号からのメッセージを読み解くことを、
今年度はもっとしっかり(かつわかりやすく)伝えていければと思いました。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!