こんばんは。塾長の髙橋です。
本日より、当塾がどういった進め方をしているのかについて
少しずつ「授業のこと」カテゴリーで記載していきたいと思います。
「なぜ」の化学反応
当塾は、夜間コースでは学年別、習熟度別のクラス分けを
(現在のところ)行っておりません。
したがって、あらゆる学年のお子さんが一堂に会し、
それぞれの学びたいことについて取り組み、
講師はそれをサポートするという形式をとっています。
今日は【中2 1名・中3 2名・高1 1名】の混成でした。
高1の塾生さんから
「10進数以外の表記が使える事例があるのか?」
という質問がありました。
おもむろに、黒板に※「カラーコード」について書く私。
※・コンピュータ上で表される色を6桁の数で表したもの。
・16進数(0~9までの数字と、A~Fまでの文字)を用いて、
赤・緑・青の色の濃さを表す。
・上2桁で赤色、中2桁で緑色、下2桁で青色。
・0が色なし、Fが一番強い色味となる。
(例)#000000は黒色、 #FFFFFFは白色、 #FF0000は赤色
この話をすると、中3の数学好きな塾生さんが反応。
中3生「今どんなことをしているのですか」
高1生「10進法以外での数の表し方だよ」
(中略)
ゼロ倍とゼロ乗
たとえば、2進数での111は、
【2の2乗×1 + 2の1乗×1 + 2の0乗×1】
=4+2+1
=7
となります。この説明で、
中3生「2の0乗は0じゃないんですか?」
と質問がありました。
私「0倍と0乗は違うんだよ。
0倍ということは、「無にする」ということ。
つまり”数として存在しな”くなるんだよ。
だけど、0乗ということは、”数として存在する”けど、
1に何もかけないということだよ。」
中3生「なぜ1が出てくるの?」
私「たとえば、2という数は、1×2だよね?
ということは、”1に”2を1回かけているんだよね。
つまり、数を考えるときの出発点が1と考えるんだ。」
高1生「たとえば、なにもない状態が0で、
その場所に着ぐるみが1つ持ち込まれたとしよう。
着ぐるみは1つあるけど、中に人はいないよね。
いま、2という人が着ぐるみの中に入るとしよう。
そうすると、そこに着ぐるみを着た「2」さんが
一人いることになるよね。これが1×2ということ。」
中3生「おお!わかった!」
なんと、その調子で、n進法の話を理解してくれました!
n進法の小数点の話も。
そして、高1生も、もやもやしていたn進法の話が
(小数の話も含めて)はっきりわかるようになりました!
※これは20分ぐらいのやりとりの一部です。
※残り2人の塾生さんは、自分で決めたテーマを黙々と学習し
この解説を行った後に、それぞれのテーマでフォローしています。
数字からのメッセージ
前の日は、別な中3生に「標本調査」のお話をしました。
数学の苦手な塾生さんなのですが、
「数字というよりは、文章を読めるかどうかの話だよ」
と伝え、問題演習をしながら用語の解説を行いました。
ちゃんと理解してくれたようです。
なんとか、この分野は定着まで導きたいと思います。
数学=数字だけを扱う学問?
いいえ、違うと思います。
私は、数学は「説明ツールの1つ」としてとらえています。
数学が苦手だった私だからわかるのですが、
「数学=数字(文字、記号、幾何)だけ」だと思っていると
遅かれ早かれ、痛い目にあいます。
目的「なぜ事柄を数学的に表すのか?」
手段「どうやって数学的に表すのか?」
数学に限らず、どの科目もこうした考え方に立って指導していますが、
特に数学は、頭の体操としても、こうした考え方が有効です。
特に標本調査は、製造業、事務、いずれも考え方として有用です。
言葉も大事ではありますが、
考え方をしっかり吸収してほしいと思い、レクチャーしています。
統計にだまされないものの見方も、
教科書に出てくる「傾向を見る」という表現から、
しっかり伝えるようにしています。
このように、数字や記号からのメッセージを読み解くことを、
今年度はもっとしっかり(かつわかりやすく)伝えていければと思いました。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
ピングバック
それぞれの立場で | Study Lounge Muroran