歴史学習のいろは

こんばんは。塾長の髙橋です。

今日は、中3生の質問の内容から、学習方法の提案に至るまでの
お話をしたいと思います。

歴史ってどうやって勉強すればいいですか?

どの科目も、必ず「どうやってやればいいか」という疑問に
誰しも直面することと思います。

特に、歴史が苦手なお子さんは、人物や制度の

「名前」「名称」

を「覚えなければならない」と思って、苦痛になります。
(私も学生時代はそうでした)

私自身、歴史のことを学び始めたり、
あるいは、自分自身の会社員時代の落第を思い返すと、
何か心理的な法則があるのでは?と思いました。

「義務感」だけでは知識は定着しない

気分のむらや変調に悩まされ続けた私が、言葉にしないうちに
受講生さんの状態を見つめて、アプローチするときの考え方を
整理してみます。

・「やらなければならない」
……なぜ?→自分の目指す先にあるもの(受験生なら志望校合格)を手にするため。

・「だけど……」
……(1)やらなければいけないことより「興味・関心」が優先する「何か」がある。
 (2)心身の調子が整わないので、単純に休息が欲しい。

・「ではどうやって?」
……(1)「すべきこと」と「興味・関心」を近づける。
 (2)近づかない場合は、近づきやすいように、知識や心身の状態について整理する。
 (3)心身の調子を整える時間も「必要な時間」としてとらえる。
    ただし、偏りがないように、休むときはしっかり休んで、やるときの
    エネルギーを蓄えることを意識する。

<目標>「やりたくないけどやらなければ」
    →「わかると楽しい。もっとやりたい」につなげる。

歴史を学ぶ上での「痛しかゆし」な点と対策

・理科の実験などと違って、リアリティーが見いだしづらい
時代、人物、事柄の整理が難しい

今回相談されたお子さんも、特に人物が苦手とのこと。

「一度、暗記しようとする気持ちを捨てたほうがいいのでは。
 自分ならどう思う、とか、自分ならどうしたい、とか、
 自分も登場人物と考えて、史実と照らし合わせるのはどう?」

「でもその時間もなかったら、少なくとも、

 ”いつ” ”どこで” ”だれが” ”どうした” と ”なぜ”

 を、それぞれの時代ごとにまとめてみては?
 大きな流れが見えれば、時代背景も、細かな人名や政策も
 わかるようになってくるはず。

 特に”なぜ”の部分は、意外と軽く見られがちだけど、
 ここがわかると一気に歴史が面白くなるよ!」

というわけで、歴史できごとシートなるものを手交。

サンプルとして飛鳥~奈良時代をまとめています。

「これなら、少しまとめられそうな気がする!」とのこと。

「気付き」をほめる

「ちなみに、このパターンで、公民や地理も使えそうですか?」

非常にいい質問が来ました。
まるで、私がこのシートを作った真の意図を汲んでくれるかのように。

「はい。項目の名前を必要に応じて変えてみたら、使えると思いますよ。
 ためしに、白地で何枚か渡しますので、使ってみて感想を教えて
 いただけませんか?」

実は、このお子さんの発言の通り、他の科目でも、事柄の整理に
使えるように開発したいという狙いもありました。

「さすがだね。私が作った意図はまさにそういうところにあるんですよ。」

歴史の教科書とシートを手にして、笑顔を見せてくれたのは、
やはりうれしいものですね。
どうしてもやらなければいけないけど、どうやってアプローチしたらいいか
わからなくて嫌になっていたものについて、切り口が少し見えたのでしょうか。

「どの時代でも、どの科目でもいいので、作ったら見せてくれませんか?」

「わかりました!」

彼女の中に、歴史が織りなすドラマチックなビジョンが生まれることを
願いつつ、きょうはこのへんでタイプの手を止めたいと思います。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

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