夜分遅くに失礼します。塾長の髙橋です。
私の専門は英語(中学~大学)、数学(中学と一部高校)と現代文ですが、
たった一人で教務を行っていることから、
ほかの科目もアドバイザー的な観点で見させていただいております。
今日は、「理科」のお話です。
かつて苦手だった科目の一つですが、今は再び学び直しているところです。
中学理科には、地学、物理、化学、生物の4ジャンルがありますが、
特に質問を受けることが多いのが、
・物理…滑車の問題
・地学…天体の見え方 もさることながら、特に多いのは
化学がよくわからない
ということです。
塾長と名乗っている私も、文系の純粋培養状態だったので、
理系科目が苦手なお子さんの気持ちは理解できます。
今は教えることが仕事なので、かつて苦手だったとは言いながらも、
少しずつ指導スキルを磨いていきたいと思いながら、
日々仕事にあたっております。
最近、むしろこうした範囲のことを聞かれてうれしく思います。
それは、
「お子さんがどこでどう悩んでいるのかが、
手に取るようにわかる」
ということです。
化学の場合の疑問点の多くは、これら3パターンです。
・グラフの活用方法がわからない。
・化学式のしくみがよくわからない。
・イオンがよくわからない。
今回は、イオンについて。
水素イオンやナトリウムイオンのような、1価の陽イオン。
マグネシウムイオンのような、2価の陽イオン。
塩化物イオンや水酸化物イオンのような、1価の陰イオン。
などなど。
特に、価数の話がよくわからなかったようです。
※「電価」とありますが、正しくは「電荷」です。ごめんなさい。
たとえば、塩化マグネシウムの電離式。
マグネシウムは、原子番号12で、最外殻電子数は2です。
塩素は、原子番号17で、最外殻電子数は7です。
最外殻電子は、第三周期元素までは、2個→8個→8個というモデルで
教科書にも記載されています。
(細かい話になると、中学レベルをはるかに超えかねないので、
ここらへんまでの規則性と、便宜的に銅イオンは2価ということを
覚えておくように伝えています。)
水素イオンは、なぜ、1個の電子を失うのに、エイチプラスと書くのか?
私も、お恥ずかしながら、中学卒業までは、なぜ?という疑問がぬぐえず、
そんなものか、と思いながら入試を迎えたものでした。
当時(いまからおよそ15年前)は、最外殻電子の話は、高校の化学でくわしく
扱ったと思うので、中3時点では今ほど詳しくなかったように思います。
通常の(イオン化していない)原子は、原子核に+の電荷のある陽子と、
その周りの、−の電荷のある電子とが、同数存在しています。
つまり、電気的には±0ということになります。
ところが、水素は、最外殻電子は1であり、イオン化するということは、
最外殻電子をどこかへ放出することになるため、
電気的には、原子核の中の「陽子(+)」が、電子(-)より1つ多いので、
+の性質を持っているということになります。
これが、「エイチプラス」の正体です。電子を放出したので、電気的には
陽子(+)が1価分多い状態ということになります。
最初は、ポカーンとしていた生徒さんも、
理屈を説明され、少しずつ納得していったようです。
話は戻りますが、
自分がわからなかったからこそ、当時を思い出して、
どういう説明なら、よりわかりやすかったか?
このことを常に心がけて、お伝えしています。
自分ならどうやって教わりたかったか。
これは、一度学習につまづいたことがあるからこそ、
提示してあげられる形なんだと思いました。
本日も、お付き合いありがとうございます!