こんばんは。久しぶりの塾長ブログとなりました。
私自身よく気を付けていることで、かつ、レクチャーにも活かしていることが、
「立ち止まって考える」ということです。
なにかと気ぜわしいと、落ち着いて考えることができなくなります。
そして、結果が伴わないと焦ってしまうと、さらに悪循環に陥ることもあります。
そんなときは、一度「立ち止まる」ことも選択肢に入れてもよいでしょう。
コーヒーブレイクに合いそうな画像を探してきて、思い出しました。
最近、毎週水曜の小学生コースでは、低学年の塾生にパソコンを体験してもらっています。
本人希望によるもので、検索エンジンの使用方法やキーボードのローマ字打ちなども指導しています。
その分、学校での学習内容は「止まった」状態になります。
しかし、学校での学習内容についても、進み具合や出来を確認しながらレクチャーをしていますので、
塾長監督のもと、パソコン使用でちょっと「立ち止まって」もらっています。
家で、「毎週ここに来るのが楽しみだ」と言っていると、親御さんからお話を伺っています。うれしいですね。
さて、本題は、今日の中学3年生の数学の一コマからです。
室蘭市内の中学校では、ちょうど、因数分解の公式の領域に差し掛かっています。
共通因数をカッコの外に出すものまでは、問題なかったようですが、
この公式にさしかかると、「うーん…」というお子さんがいます。
該当部分の教科書を読むと、
x²+ax+b について、aが和、bが積で、それぞれを満たす数を探す…ということが、
和と積の表で表されています。
しかし、残念ながら、この部分は、ただ読むだけでは理解できません。
当塾ではどのように、因数分解を指導しているかといいますと。
「因んだ数」を掛け合わせると、式の展開になりますね。
その式を「因んだ数」で分解するのが、因数分解ですよ。
つまり、
展開と因数分解は、逆の作業をしていると思ってください
(数学的には異論があるかもしれませんが、便宜上です)
ということを強調しています。
そして、「因数分解をする」という順番ではなく、その逆の順番を書いて説明すると
「もうだめかも…」と言っていたお子さんが、「あ、できるできる!」という笑顔に変わりました。
(例) x²-8x+15の因数分解(啓林館「未来へひろがる数学3」27ページ例6)
(x+◇)(x+□)
=x(x+□)+◇(x+□)
=x²+□x+◇x+◇×□
=x²+(□+◇)x+◇×□
=x² -8x +15
これで、”□+◇=-8,◇×□=15”を意識してもらいます。
次に、定数項15は「何かける何か?」を挙げてもらいます。
九九から当たってもらうようにするとスムーズでした。
そして見事に、足して-8となる2数の、-3と-5を見つけました。
ちなみに(-3)×(-5)=15、ですよね。
このようにして書きましたが、書いているものを読むだけでも難しいと感じれば難しいのです。
やはり、ここは、表情を見ながら進めることで、
・どこにどうつまづいていて
・つまづいたところでどう思っていて
・その部分をどうしたいのか
ということが、ようやくわかるようになるのです。
大人こそ、一度立ち止まる必要があるのでは
この事例では、教える側が「一度立ち止まる」ことを覚えなければならないと思いました。
というのは、やはり年数を重ねていると、「この式のパターンはこうで…」という「型」の説明から
入ってしまいがちになるということです。
しかし、それぞれのお子さんが、どの「型」を使おうとしているのか、
あるいは「型」に頼らず、自分の考えをひも解いていくのか、
ここを、私たちが立ち止まって、見極める必要があると思いました。
経験から物事の解決の処理速度が上がるというのはいい事ですが、
人対人ということを考えると、経験にも差がありますし、
バックグラウンドにも違いがあるわけですから、同じように処理させるのは
よいのかどうかを見極めたいところです。
そして、「こうすればもっとよくなるかも」という提案をすることで、
話を聴く側は「自分はこう思うけど、相手にも一理あるかも」と思うようになります。
立ち止まって考える。
時には大切なことだと、今日改めて思いました。
そうすることで、次の一手も打ちやすくなりますし、成果の質の向上も期待できるでしょう。
今日もお読みいただきありがとうございます。