こんばんは。いつもご覧いただきありがとうございます。
どれだけ勉強に時間を割いても、まったくわからないという経験をされたことがある方は、結構いらっしゃるのではないかと思います。
しかし、あるきっかけを境に、「わかる!」といううれしい感覚を味わったことがある方もまた、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、多くの方の学びのお手伝いの中で、「知識をつなげること」が有効だということ、そしてその方法について考えてみましたので、お話したいと思います。
やはり学習も「量」より「質」
学習者の立場の方は、「最近、一日○時間勉強しています」「一日でテキストを○ページ読みました」と言ったり、保護者や指導者の立場の方は、「たった△分しか勉強していないのか」「1日24時間ある中でたった△ページか…」などと思ったり、他の人と「学習」について語るとき、「量」に目が行ってしまうことが多いと思います。
もちろん、学習量が多いということは、それなりにインプットできる「機会」が多いということですが、心身のコンディションが整わずに学習量をやみくもに増やすと、思考や感情の整理ができなくなり、知識の「定着」には、なかなか至らないものです。
知識の「定着」には、学んだことがより具体的、現実的なものとして「イメージできる」ことが、実は一番近道なのです。そのためには、連想ゲームのような感覚で、「知識をつなげること」が、手軽にできることです。
学びに「見通し」をつけること
「こんなことを学んで何になるの?」という気持ちに支配されて、勉強をしなくなったことがある。そんな経験はないでしょうか。
高校時代、英語がものすごく得意で、数学がものすごく苦手だった私も、「三角関数なんて全然わからないし、英語のペーパー試験だけでいい大学なんてないかなぁ」などと考えたことがありました。
ただ、そのころ数学がとても苦手だった理由が、いま中学数学をレクチャーする立場になり、かつての自分のように悩んでいるお子さんへの指導に携わり、よくわかりました。その原因とは…
総じて、学ぶことに「見通し」がないのです。
三平方の定理なら、「直角をはさむ2辺のそれぞれの2乗の和は、斜辺の2乗に等しい」だけで、ひとまずストップ。
英語の文型なら、5つの文型を形式的に覚えて、ひとまず終わり。
知識がつながらないから、覚えなければならないことが多く、やる気にも影響するのでしょう。
では、どうすれば?
当塾では、なるべく知識を体系的に、かつ具体的なイメージを持って頂くために、時には教科書から外れる内容も扱うことがあります。
実例1~数学~
中1の時点で計算が得意なお子さんに、扇形の中心角などのお話をする際に、素因数分解を教えたりしました。
また、それに関連して、平方根や二次方程式のお話もしています。
少なくとも計算領域を扱っている間は、集中力がずば抜けているので、そこで関連付けを深めていくと、出来る範囲も広がり、出来る歓びも覚えます。
実例2~英語①~
英語の文型のお話ですと、逆にSVOCの話ばかりしないようにしています。
・日本語も共通している「大事なことを先に言う」ということ
・ほとんどの外国語では「主語+動詞からスタート(が多い)」ということ
(日本語は「どうした」に至るまでの「背景」を大事にしているから、動詞・形容詞・形容動詞が後になりますよね。)
・英語は1語1語にイメージと親和性があって、関係の深い語が近くに置かれるということ
(だから単語のイメージを持ってしまえば、すごく楽になります)
ここを徹底すると、極端な話ですが、「S+Vが第一文型で…」などと考えなくても、英語を英語のままで理解できるようになります。
実例3~英語②~
英語と日本語の完璧な対訳をするというのは、かなり不都合が生じます。
たとえば make という単語1つ取ってみても、「作る」「(make itで)なんとかする」「(人・物+形容詞で)~の状態にする」「(人・物+動詞の原形で)~をさせる」など、日本語がたくさん出てきますよね。
英語では、makeのまま、あとは語順だけで「形容詞になる状態を作る」「する状態を作る」など、応用を利かせることができるのです。
例文をあげていきます。
【 】 は、日本語訳にする前の、英語のままの状態を日本語にしたものです。
( ) は、より自然な日本語になるようにしたものです。
例1 His bad attitude made me angry. → 【彼の悪い態度は私を怒る状態にさせた】 → 彼の悪い態度は私を怒らせた (彼の悪い態度に私は立腹した)
例2 Their songs made me cry. → 【彼らの歌が、私に泣く行為をする状態を作った】 → 彼らの歌は私を泣かせた (彼らの歌に私は涙した)
このように、英語らしい英語と、日本語らしい日本語を、1語1語対応させるというのは、かなり骨の折れる作業なのです。
だからこそ、「英語のままのイメージ」を持つことが大事なのです。
まとめると
正しいイメージと、イメージ同士の相関を把握することで、学ぶ切り口が1つになります。
三平方の定理から入れば、高校数学の円の方程式や三角関数にもつながります(高校数学を履修されている方ならわかるかと…)
しかし、イメージ同士の相関を把握できなければ、「三平方の定理」「円の方程式」「三角関数」はそれぞれ別ジャンルだと思って、「覚える項目が多くなって嫌になる」というパターンに陥ります。
まさに、高校時代の私そのものですね。
どの科目もそうですが、あるいは、どの仕事もそうですが、一見関係なさそうな”A”ということがらと”B”ということがらの、接点を見つけることで、学びのスピードは加速していくものと考えています。
当塾では、そのお手伝いをさせていただければと考えております。