見守るということ

こんばんは。塾長の髙橋です。
冬になるまで、生徒さんがまったく来ない日もありましたが、
おかげさまで最近は、コンスタントに生徒さんが通ってくれていて、
昨日は久しぶりに、一度に6名の生徒さんの個別指導となりました。
今日も中1生1名、中3生3名の指導となりました。

まもなく、この仕事をスタートさせて2年となります。
仕事柄、たくさんのお子さんと接していますが、その中で
気付いたことをお話させていただきたいと思います。

見守るということ

当塾では、課題を与えることはありますが、「やれ」と言って
強制することはほぼありません。
あったとしても、直接命令的に言うのではなく、必ず
同じ目線に合わせて、「なぜ今することが必要なのか」を
「考えてもらう」ような話し方をします。

基本的には、教室内を見回りますが、特にアクションがない場合は
他の教務を行うこともあります。

だからといって、まったく「放任」しているわけではありません。

仮に他の教務を行うために、いったん教務机に着席していても、
一人一人への目配り、気配りは絶対に欠かせないのです。
手が止まっている生徒さんには、近寄って、生徒さんの話を
じっくり聞き、いっしょに解決を目指します。

ふつう、「塾」といえば、講師が黒板の前に立って説明する
集団指導や、ブースで仕切られたところに着席して学習する
生徒さんを見回って指導する個別指導なのですが、当塾には
個別の仕切りは存在しませんし、私自身も、黒板よりは、
近くに座っていっしょの目線で話をすることを重視しています。

しっかり話を聞いてもらいたい場合は、自分が生徒さんの目線より
下の位置で話をすることもあります。

一人一人の自我を認めること

生徒さんひとりひとりにも、自我があります。
その「自我」の存在なしに、自発的な学びは生まれません。

講師側から、考えについて質問するときは、必ず一度受け止めます。
正解であっても不正解であっても、必ず受け止めます。

生徒さんの目標と、時間との兼ね合いから、口をはさむ場合もあります。
しかし、そういう場合には、できるだけ待ってからにするか、
一旦その場は正答へ導いてから、残りの時間で一緒に考えるようにするか、
という意図を持ってのことです。

ひとりひとりの「自我」を発見し、
それになるべく即した形でのアプローチを探すとともに、
問題解決について、なるべく同じ目線で話をすることで、
生徒さんは「指導者」兼「理解者」を得た感覚になります。

フィンランドモデル+地域の味


自発的な考えを促すのが、フィンランドの教育モデルです。
そこには、職業人としてのコア・コンピテンシー
(自分自身の中核をなす、誰にも負けないという部分)
を育むことが、テーマとして存在しています。

礼賛するわけではないのですが、これからの時代は、
自分の考えを適した形で表現することが求められるように
なるでしょうから、大いに参考になるものがあると考えます。

そして、形だけをマネするのではなく、そこに
「自我」が組み込まれることにより、今生きている
「日本」「北海道」「室蘭(周辺)」が、確実に自分自身の
精神性の中で、強固なバックボーンとなることを期しています。

肩書も大切かもしれませんが、
「自分はどんな人間なのか」
「何をしてきた人間なのか」
「してきたことに対する思い/考えは」
なども、重視されるようになってきます。

自分の青春時代、大人にどう接してほしかったか

「最近の若い者は」
「これだから年配者は」
など、世代間の価値観の相違は、いつの時代も生まれるものです。

しかし、この仕事をさせていただいて、いつも感じるのは、
「気持ちを通わせるには、世代間の価値観の相違は関係ない」
ということです。

青春時代は、大人たちに対してうまくモノが言えずに
悶々とした思いを抱いたという方も、少なくないのではないでしょうか。

「そういうものだ」
としてしまえば、簡単かもしれません。
しかし、それは、たとえば近所におせっかい焼きのおじさん、おばさんが
いたり、話をよく聞いてくれる人がいたりしたころのお話でしょう。

今は、残念ながらそれがあまり感じられません。
だからこそ、少なくとも当塾では、学習のことはもとより、
生徒さんたちがうまく表現できないことについて、
表現の方法を、自発的に身につけていく場にもできればと
考えています。

結論

見守るということは、相手への信頼感なしにはできないことです。
生徒さんも、講師である私も、人間同士ですので、
お互いの信頼感があって初めてレクチャーが成立します。

引き続き当塾では、一人一人の声を聞いて、
「安心して、のびのび学んで、力をつける場」づくりを
続けていきたいと思います。

伝えます わかる喜び 広げます できる楽しさ

本日も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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