本質をとらえること

こんばんは!久しぶりの塾長ブログです。
今日は、小4生1名、中3生2名、高2生1名へのレクチャーでした。
いずれも算数、数学の分野で、新しい学年になってから最初の領域ということもあり、
それぞれが心機一転し、課題に臨んでいました。
今日はその中でも「本質をとらえること」についてお話をしたいと思います。

まず、小手調べに、中3の問題から。

( a + d ) ( b - c ) を展開せよ。

この問題の前に扱っている内容は、

a ( b + c ) = ab + ac
という「分配法則」を用いたものです。

この形を用いて、
a ( b - c ) + d ( b - c ) という計算をして
ab - ac + bd - cd という答えが求められます。

基礎から理解してもらうには、1つ前の「分配法則」を
意識して教える必要があります。
ここをすっ飛ばしてしまうと、あとで「展開公式」を
「覚えさせられる」ときに、苦労してしまいます。

それはなぜかというと、特に文系の学生に多いのは、
「文字や数字の形から覚えようとする」という「暗記」に走り、
「式の持つ意味」や「公式が導かれる過程」を理解しないという
数学履修者にとって、致命的なミスを誘発することになるからです。

では、ちょっとレベルが上がり、数学Ⅱ(高校)の内容から。

Q:弧度法において"2"で表される角は、度数法でどのように表されるか?

一般的な弧度法と度数法の変換方法

三角関数の領域に入る前の、デモンストレーション的なラジアンの問題ですね。

半径1の円について、円周の大きさは2πで表されることから、
2π=360° つまり π=180° と表す方法でしたね。

したがって、弧度法では、π/2=90°、 π/4=45°、 π/6=30°
などと表すことができます。

このことから、弧度法で表される角度に、180°/πを乗じることで、
度数法の角度が導かれるようになります。

(例 π/2×180°/π=90° 【180°と2、π同士がそれぞれ約分される】)

よって、

 2×180°/π = 360°/π (≒360°÷3.14...≒114.6°)

もし、「180°/πを乗じること」が頭から抜けてしまったら?

あくまでも、この問題は、

「弧度法を度数法に変換すること」

が主題です。

そして、よく忘れがちになるのですが、 「π≒3.14...」であることを
利用する必要があります。

では、どのようにして導くのでしょうか。

π : 2 = 180° : x°

つまり、「πに占める2の大きさは、180°に占めるx°の大きさ」という
比の式を作ると、わかりやすくなります。

では、式の続きです。

πx° = 360°
 x° = 360°/π (≒114.6°)

となります。

まとめ

大事なのは、計算や式の「暗記」ではなく、問題の「本質」

学生時代の私もそうですが、「ラジアン」「弧度法」と聞くと、
「あれ、π/180°だっけ、 180°/πだっけ?」というように混乱してしまいます。

つまり、数式の「暗記」を優先させてしまっているのですね。
これが、特に多い文系の数学履修者が陥りやすい思考パターンです。

しかし、「弧度法と度数法の変換」つまり、360°を基準にするか、πを基準にするかの
問題だけになるのですね。

度法」という言葉が示しているように、
「半径1の円で、中心角180°のおうぎ形のはπである」
ことに着目するのです。

中3のみなさんがこれから学ぶでありましょう、「2次方程式の解の公式」。
これも、まあ、形で覚えられればいいのですが、
思い出せなかったときのリカバリー方法はあるのです。

これも、「本質」をつかまえていれば、問題ないのです。

どの学年のどの科目にも、この「本質」をとらえる、という作業を
心がけることで、「わかる歓び」も手に入れられるのです。

今年度も、こういったレクチャーのスキルを上げられるよう
努めて参りますので、よろしくお願い致します!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です